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Internet Fundamentals

インターネットを支える基本のコトバ

10 IPv6とは?
インターネットに接続するための方式について詳しく解説

インターネットを利用する際、速度の低下やセキュリティ上の懸念は、時にストレスの原因となることがあります。
IPv6という技術は、単なる速度向上にとどまらず、接続の安定性やセキュリティ強化など、インターネット体験全体を根本から改善する力を持っています。
この記事では、インターネット接続の状況を改善する方法として期待されるIPv6について初心者でも簡単に理解できるように解説していきます。

IPv6とは

IPv6とは、「Internet Protocol Version 6」の略で、IPv4に次いで登場したインターネットプロトコルの規格です。
IP(インターネットプロトコル)とは、インターネットでコンピューターが情報の送受信をする際に用いるルールを指し、IPが定めるルールの1つに「IPアドレス」の管理があります。IPアドレスとは、インターネット上で通信をするための住所のようなものです。
従来のIPv4ではこのIPアドレスの枯渇問題が生じていたため、より大量のIPアドレスが必要となり、IPv6が開発されました。

数字で比較すると、使用できるIPアドレスがIPv4は約43億個に限られるのに対し、IPv6ではその4乗にあたる数が利用でき、事実上、無制限にIPアドレスを割り当てることができるようになりました。
現在では、多くのサービスがIPv6で提供されています。JPNAPでは、2008年からIPv6へ標準対応しており社会的インフラとしての信頼性向上に寄与するサービスの提供に先駆的に取り組んでいます。

IPv6の特長

IPoE方式の接続による通信速度の改善だけでなく、セキュリティの向上もIPv6のメリットとして挙げられます。IPv6のセキュリティが強化されている理由の一つは、「IPSec(アイピーセック)」と呼ばれる暗号化プロトコルが標準で組み込まれている点にあり、この技術は通信の盗聴や改ざんを防ぐために役立っています。

なお、IPv4でしか閲覧できないWebサイトや利用できないサービスもありますが、IPv4 over IPv6技術を併用することによって、問題なく閲覧や利用ができます。

IPv6の接続方式

IPv4とIPv6では、インターネットへの接続方式にも大きな違いがあります。
IPv4は「PPPoE方式」でインターネットに接続していますが、IPv6では「PPPoE方式」に加え「IPoE方式」での接続が可能です。それぞれの違いについて解説していきます。

PPPoE方式

PPPoE方式(PPP over Ethernet)は、電話回線でインターネットに接続していた時代から続く接続方式です。
この方式においては、インターネットに接続するために「ネットワーク終端装置」を経由します。また、認証をユーザー名とパスワードによって専用のサーバにアクセスすることで行います。
PPPoE方式では、インターネットの通信量が増えて混雑してくると、ネットワーク終端装置が逼迫し、これが原因となって、通信速度の低下など品質の低下を感じることがあります。

IPoE方式

IPoE方式(Internet Protocol over Ethernet)は、初めからイーサネットで通信することを前提に作られた接続方式です。また、専用のサーバにアクセスすることなく、回線で認証を行います。
IPoE方式による通信では「ネットワーク終端装置」を経由しないため、同装置が原因となって速度が低下することはありません。このため、一般に安定して高速で通信できることが期待できます。

まとめ

IPv6は、IPアドレスの枯渇というインターネットの課題に対応すると共に、通信品質の向上や、セキュリティの強化にも貢献しています。さらに、今後のインターネットにおいてIPv6の役割は、増していくことでしょう。